読書好きなしがないサラリーマンの日常

日々の生活を何とかかんとか乗り切るブログ

半休がとれたことに幸せを感じる(´・∀・` )

 プローゲーマーのボンちゃん選手、直近のプレミアム大会でベスト4に残ったみたいだ。ストⅤでは弱キャラと言われるナッシュでこの成績は凄い。シーズン2に入りアップデートで弱体化され周りがどんどん使用キャラを変えていく中、自分の信念を貫き細い勝ち筋を通していく戦い方は見習いたい。

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 阪神の鳥谷選手がついに金本監督の連続出場試合記録を越えたららしい。継続もここまでいくと何も言えねえ。思えば鳥谷が入団した頃丁度藤本が三割打ってたんだよなあ。それでショートのレギュラー争いが起きて結局鳥谷が起用されたはず。藤本はマジで可愛そうだった。それまで苦しんでようやく三割打ったと思ったらこれだもんなあ・・・。人生なんて運ゲーやで。最近はサード出場が多いみたいだけど阪神のレギュラーサードって誰がいたかイマイチ思い出せない・・・。

 

 昔のファイルを捜してたらなんか海外の探偵ものを書こうとしたファイルが出てきた。やっぱ舞台が海外風になるだけで世界観がよくなる不思議。ただの錯覚なんだけどさ。しかしすごい中途半端に終わってるわこれ・・・。なんか色々設定とか考えた気もするんだけど綺麗さっぱり忘れてしまった。仕方ないね(´・∀・` )

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⑧神経質な探偵と軽薄な助手の話

 

 十九歳でマスターを卒業したものの、私は自分の進むべき方向に関して殆んど途方にくれていた。裕福な家庭に生まれ何不自由ない生活を送り、ひたすら親に敷かれたレールの上を行く人生だったように思う。私はアリッサ・リードとして主体性を持って生きてきたのかとどこか哲学的な考えが、真っ黒に染まった深海の底からぼんやりと泡のように浮かんで来ることがあった。あるいは、その年頃の若者が誰しも一度は感じる取るに足らない疑問、もしくは気の迷いだったのかもしれない。しかし、質の悪いことに、その問いかけに対し私は明確な回答を持ち合わせていた。答えはどこまでもノーで、それまでこれっぽっちも自分の足で道を歩いてきた実感はなかった。だから恐らく、今の生活はそうした反動の賜物だった。

 二十一歳の女が私立探偵の真似をして生計を立てていくことに反対するのは、両親の反応としてはすこぶるまともだと云える。だが、その反応こそがこれまで私が欲しいと望んでいたものだったのかもしれない―――心の奥底に秘めていた願望だったのかもしれない。

 とにかく、今の生活は私が自分で決めた生き方だった。あれからまだ一年も経っていないが、日々の暮らしは存外性に合っているような気がする。優等生として育った私が初めて親に対して反抗したように思う。ただ、好奇心の強さは幼い頃から人並み以上にあったし、いつの日かこうなることは案外無意識の内に予見できていたのかもしれない。

 握ったハンドルを微調整しながら、常緑樹に囲まれた田舎道をひたすら進んでいく。さすがに事務所の周りとは勝手が違うため、慣れるまで少し苦労したものの、今日はエンジンの調子も機嫌が良いようだった。年季の入った中古の愛車にしては珍しい。特に大きなトラブルに見舞われることもなく、くすんだ灰色をした冬空の下、凡そ予定した通りに車はこれまでの道程を走り続けていた。

「アリッサ、いい加減この景色にも飽きてきたよ。どんなに年老いても俺には田舎でスローライフは送れないね。退屈すぎて死にそうだ」

「退屈で死んだ人間はいないわジャック」

 助手席に座るジャックがぶつくさと文句をいいながら、首を鳴らす仕草を見せる。短く刈り込まれた金髪が陽に照らされて、まるで獅子のようだと思ったものの、彼にそこまでの威厳はないと即座に考えを改める。何せ私より五歳も年下で、本当ならばハイスクールに通っていていい年頃だ。身長の伸びきっていない体格や、少年らしい仕草から、まだ大人になりきれていないあどけなさが時折見え隠れする。

「おまけに車もボロいときたもんだ。買い換える気はないの? 尻が痛い」

「そんなお金があるように見えるかしら?」

 私は車にはさして拘りはない。素早く安全に目的地まで辿り着くことができれば文句はないし、もしもお金に余裕があれば事務所の安アパートを移転する方が先だ。ただ、エンジントラブルだけは困りものではあるのだが・・・。

「あんた、本当はお金持ちのお嬢様なんだろ? パパに貸してもらえばいい」

「ならあなたのパパに頼みなさいよ」

「あいにく俺のパパは金なんか貸しちゃくれないさ。それどころか口も訊いてくれない」

 ジャックはおどけた口調で云う。彼の家庭については詳しく知らないが、大方親とは不仲なのだろう。恐らく彼も今よりもう少し歳を重ねれば、その関係性も変わってくるに違いない。

「お金はなるべく借りない。これ人生を失敗しないための格言」

「そんな格言、紙くずと一緒にダストボックスに投げ入れてやるさ」

 ジャックはあくびをすると、両手を頭の後ろで組む。相当暇を持て余しているようで、手持ち無沙汰だという主張がこれ以上無いほど伝わってくる。私はやれやれと、小さくため息を付く。助手として少年を雇って二ヶ月が経とうとしているが、その人選についてやや早計だったかもしれないと後悔したくなってくる。

「いいわね、あなたは何も考えてなさそうで」

「ははは、これでも色々考えてる」

「あなたのことだからどうせ何かの悪巧みばかりでしょう?」

 私は皮肉混じりにぼやきながら、さりげなく腕時計の文字盤に視線を落とす。時刻は丁度正午になったばかりだ。少し前から程よい空腹感があった。朝食をいつもより少し早めに取ったせいだろう。

「何か食べる? 一応固形食みたいなものならいくつかあるんだけど。そろそろお腹減ってきたんじゃない?」

「ありがとうアリッサ。でも大丈夫だ。食事はもう少し後でいい」

「あらそう、珍しい。まあでもそろそろ目的地に到着する頃かしら」

 私は左手でハンドルを操りながら、右手だけで鞄から固形食を取り出すと、袋を向いて口へと運ぶ。すぐにチョコレートの柔らかい甘みが口の中へ広がって行き、気だるい疲労感を癒してくれるようだった。

「行儀、悪いなあ」

「さっきの格言と一緒にダストボックスに投げ入れておいて」

 私は適当な返事でジャックの苦言をあしらうと、アクセルを強く踏む。タイヤが緑道の土をかみながら、スピードを上げる。徐々に近づいてくる到着地点へ向けて先を急ぐ。

 

 そこには確かに、元々何らかの建物があったのだという痕跡が見て取れた。

 私たちは目指していた場所に着くと、車を降りて辺りの様子を窺う。手入れのされていない平地には無秩序に雑草が覆っているばかりだが、所々建築物の痕跡が残されており、黒く煤けている。はるか昔に朽ち果ててまった遺跡、あるいは忘れ去られてしまった古代文明。時の流れと共に風化してしまったものたち・・・。

 そんな大げさなイメージが私の脳裏に浮かんでくる。なるほど、依頼人の云っていたことに間違いはない。一応ネットや図書館で過去の新聞記事も参照してきたのだが、当時は何故か思ったほど大きく取り扱われていなかったようで、不思議とそれほど多くの情報を得ることはできなかった。

「なんだか寂しいところだ。街からも随分離れているし」

 とジャックがぽつりと声を漏らす。

「でも、逆に云えば自然に囲まれた環境とも云えるんじゃないかしら。子供というのは意外とどんなところでもやっていけるものでしょ?」

 風が吹いて、大地を撫でていく。草木が揺れる音が辺りを包む。

身体はコートで防寒しているものの、それらに守られていない箇所はどうしたって冷気の侵入を許してしまう。私はキャスケット帽を深くかぶり直し、改めて全体を見渡してみる。

「ここが孤児院、―――『月の家』の跡地・・・」

 私は想像する。かつて多くの子供達がこの場所で生活し、暮らしていた光景を。笑い声や笑顔と共に、そこにあったであろう営みを想像する。死者の魂を追悼するように、少しの間瞳を閉じる。

『月の家』は、かつて資産家のニコラス・ブライト氏によって建てられた孤児院なのだという。彼は身寄りのない子どもたちを引き取り、里親が見つかるまでこの場所で子どもたちの面倒を見ていた。時期によって多少の上下はあるものの、常時三十人前後の子供が暮らしていたという。しかし―――、

 ―――『月の家』は一五年前の火災と共に建物が全焼した。

 一夜にして孤児院は燃え盛る炎によって飲み込まれてしまい、死傷者も多く出たようだ。私は焼け跡を視認しながら、業火に呑まれ崩れていく建物の幻影を見たような気がして、それを払うように軽く首を振った。

「火災が原因となって、死傷者も結構な人数いたみたいね」

「その辺りに亡霊が出ても不思議はないってことか」

「亡霊が怖いの?」

「まさか」

 ジャックは碧眼の目を細めながら、低い声で答える。いつもの軽口ではなく、その響きはどこか妙に大人びた物言いに聞こえた。私はそうした彼の声音を珍しく思い、僅かに引っかかりを覚えた。

「生きている人間の方が怖いに決まっているよ」

「まあ、そうかもしれないわね」

 私はジャックの素振りについてそれ以上特に追求はせず、依頼内容のことに関して思考を切り替える。事務所のある遠い街からわざわざ車を走らせてきたのはそのためなのだから。

「アリッサ、あの樹じゃないか?」

 ジャックが指差す方角を目で追う。そこは小高い丘になっており、元々孤児院の裏庭みたいな場所だったのだと推測できる。その場所には、まるで孤児院のシンボルのように一本の立派な樹木が空に向かって伸びていた。枝は幾重にも分岐しており、葉は殆んど散ってしまっているせいで寒々しく感じられる。恐らく、夏になるとまた違った姿を見せるはずだ。

「丘の上にある一本の樹。見ればすぐにわかるはずだと云っていたし、間違い無さそうね」

 依頼人の口からはそう訊いたものの、何せ十五年前の記憶だし、実際に来てみるまで果たして現場でちゃんと認識できるのか不安があった。だが、どうやらその心配は杞憂のようだった。

「あの依頼人、ちょっと特殊な状況下にあったじゃない? 正直この目で確かめるまで、記憶のそれと合致しているのか怪しんでいたのよね」

「云いたいことはわかる」

 ジャックは私の考えを直ぐ様理解してくれたようで、静かに頷いて見せる。どうやら彼も同じことを考えていたようだ。しかし、実際には孤児院の焼け跡があって、裏庭の丘が広がり、背の高い樹木がしっかりと存在している。これで依頼内容の信憑性もより高まったと云えるだろう。

「何はともあれあの樹の下まで行ってみましょう。場所さえはっきりと特定できてしまえば後は子供にもできる仕事だわ。本人ができるものなら、きっと自分自身の手で行っていたでしょうね」

 依頼内容自体はとてもシンプルなもので、誰にでも容易に行うことができる。孤児院裏の丘にある樹の下にアタッシュケースが埋められており、それを掘り出してもらいたいらしい。どれくらい地中に埋まっているのかと疑問に思ったのだが、そう深い場所にあるわけでもないようだ。

 アタッシュケースの中身について、依頼人から詳しい内容は聞けなかった。ただ、『月の家』について何か重要な情報が入っているらしく、ケースを持ち帰ってきた際により具体的な話をしてくれるそうだ。とは云え、私は『月の家』自体にそこまで興味は持ってないし、既に仕事内容に対して結構な額の前金を貰っている。正直なところ報酬金さえ手に入れば中身に関してはさほど気にならなかった。

 私はジャックを促して歩を進めようとするが、

「ちょっと待ってくれ、地面を掘るんだろう? スコップが必要だ」

 初歩的なミスを指摘され、立ち止まる。今朝車に積んできたスコップの存在がうっかり頭から抜けていた。

「今朝準備してきたのは何のためだったんだよ」

「あなたの云う通りね。すぐに取ってきましょう」

「いや、大丈夫だ」

 私が踵を返して車の方へ向かおうとしたのを、ジャックが制した。

「アリッサは先に樹の下まで行っているといい。俺が取ってこようじゃないか」

「意外ね。率先して自分から手伝ってくれるなんて。雨が降るんじゃないかしら」

「どうかな」

 ジャックは冗談めかしながら止めてある車の方へ戻っていく。私は彼の背中を見送ると、なだらかな丘を登り始める。